Pick Up プロジェクト 環境部編

インド国における環境影響評価

プロジェクト内容

日本が有償資金協力を行っているインドの道路事業計画予定地内(マハーラシュトラ州ムンバイ市)で、ここに生息するフラミンゴについて、道路事業による影響の緩和策を検討する必要がありました。ここに生息するフラミンゴについては、生息数や個体数が多い場所などの断片的な情報は存在したものの、詳細な生息環境や移動特性についてはほとんど知られていませんでした。

ソリューション

ムンバイ湾の周囲60km以上の範囲で、フラミンゴの生息環境と移動経路を把握するための調査計画を立て、日本国内の専門家と現地の調査会社による20人規模の調査チームを編成し、3カ月にわたり調査を行いました。その結果、これまで知られてこなかったムンバイ湾でのフラミンゴの活動形態が明らかとなり、有効な保全対策の提案につながりました。

調査の様子
フラミング

制作漁具による魚道調査

プロジェクト内容

環境調査業務として魚道の調査をすることが度々あるのですが、その一つとして幅13m、流量7.0t/secの魚道で、魚類の遡上量、遡上位置、遡上時間帯を調べる調査の依頼を受けました。極めて大型な魚道であるため、単一の檻状の漁具や既存の小型定置網などでは作業性が悪く、捕獲した魚の回収に多大な労力がかかること、作業時の安全性が確保できないこと、魚類の詳細な遡上位置は把握できないことが想定されました。

ソリューション

幅1.2m程度の箱型漁具を制作し、魚道隔壁部に横断状に並べて設置しました。これにより、魚類の遡上量、遡上位置が把握できました。また、回収の際に捕獲魚の格納部だけを外せる構造としたため作業性が高く、回収時間の省力化と作業員の安全性の確保を両立させることができました。

魚の回収
漁具設置状況

Pick Up プロジェクト 研究センター編

流木計測アプリZoelの開発

プロジェクト内容

計画されている堰堤に流木捕捉機能を付与するための水理実験において、下流部から流出する最大6万本の流木(丸棒)を計数し、結果を正確かつ迅速に提示する必要がありました。

ソリューション

複数人で目視により行っていた作業を、Pythonの画像解析技術を活用したアプリケーション(Zoel)を開発し、流木(丸棒)を撮影するだけで簡単かつ正確に本数を計測するシステムを開発しました。これにより、労力とコストを大幅に削減することが可能となりました。

Zoel実験の状況
Zoelによる流木認識

Pick Up プロジェクト情報技術センター編

交通統合データシステムの開発

プロジェクト内容

道路分野では、道路交通センサス等の交通統計データや国勢調査等の社会統計データ、自動車の緯度経度データ等のビッグデータなど多様なデータを取り扱っています。これらのデータを一元的に管理し、閲覧できるようにするため、交通統合データシステムを開発しました。このシステムにより、打合せでの即時的な交通状況把握や分析方針の迅速な意志決定など作業の効率化を図りました。

ソリューション

データをWebGIS化することにより、どこでも誰でも簡単にわかりやすく閲覧することを可能としました。また、点、線、面のビッグデータを載せるプラットフォームができたことで、今後企業間などのDXを進める上での有効なツールとなります。

トラプロによるデータの表示例01
トラプロによるデータの表示例02